電気の契約アンペア数を変更するには?電気料金の違いや決め方を解説
自宅で家電製品を使用しているとき、頻繁にブレーカーが落ちて困った経験のある方もいるのではないでしょうか。このような場合、契約している電気のアンペア数が適切ではないかもしれません。本記事では、家庭ごとに適した電気の契約アンペア数の選び方や電気料金の違いについて解説します。手続きの方法やタイミング、工事が必要な場合の具体的な内容についてもご紹介しますので、アンペア数の変更を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
電気のアンペア数とは
まず、電気のアンペア数について基本的な知識を押さえておきましょう。
●アンペア数が表す「同時に使用できる電気の量」
●家庭用電力の契約形態とアンペア数の関係
以上の2つの視点から、アンペア数について解説します。
<アンペア数が表す「同時に使用できる電気の量」>
アンペアとは、一度に流れる電流がどのくらいかを表す単位のことです。アンペア数の大きさによって、家庭内で同時に家電製品を使用できる電気の量が左右されます。言い換えれば、家庭で契約しているアンペア数が大きければ大きいほど複数の家電製品を同時に使用でき、逆にアンペア数が小さいと、一度に使用できる電気の量は少なくなり、許容量を超えると、ブレーカーが落ちてしまいます。
各電力会社が提供している電気料金プランの中には、アンペア制によって決まるプランが多いのが特徴です。電力会社によって契約できるアンペア数は異なりますが、一般的には10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aの7種類のアンペア数に対応しており、家庭での電気の使用状況に合わせたアンペア数を契約することで、電気の基本料金が決定されます。
<家庭用電力の契約形態とアンペア数の関係>
次に、家庭用電力の契約形態とアンペア数の関係について見ていきましょう。家庭向けの電力契約で最も広く普及しているのは「従量電灯B」というプランで、契約アンペア数に応じて電気料金が決まる仕組みです。契約アンペア数が低ければ基本料金も抑えられる代わりに、同時に使用できる電力量は少なくなります。
なお、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力エリアについては、アンペア制ではなく最低料金制のプランが多いのが特徴です。最低料金制とは、文字通り電気の最低料金が決められているプランのことで、実際の電力使用量が最低料金に達していない場合でも、最低料金分は必ず支払う必要があります。
アンペア契約と電気料金の仕組み
アンペア契約と電気料金の仕組みについて、以下の2つの視点から解説します。
●契約アンペア数と基本料金の関係性
●最適なアンペア契約による電気代節約の可能性
一般的に、電気料金は、「基本料金+従量料金」で構成されています。契約アンペア数の選択が月々の電気代にどう影響するのか、詳しく見ていきましょう。
<契約アンペア数と基本料金の関係性>
一般的に、契約アンペア数を上げると基本料金が上がり、アンペア数を下げると基本料金も下がります。基本料金とは、電気の使用量に関係なく毎月固定で請求される費用のことです。その一方で、電気の使用量に応じて発生するのが従量料金で、電気を使用した分だけ請求されます。
東京電力エナジーパートナーが提供している「従量電灯B」プランを参考に、具体的な料金体系を表にまとめました。
【東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の契約アンペア数と基本料金の例】 ※2025年3月1日時点
このように、契約アンペア数が大きくなるほど、基本料金も高くなっていきます。20Aと50Aとでは935円25銭の開きがありますが、この差が電気代の違いとして現れてきます。
<最適なアンペア契約による電気代節約の可能性>
以下の表を参考に、最適なアンペア契約による電気代節約の可能性を考えてみましょう。
【契約アンペア数を下げた場合の年間削減額の例(東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の場合)】
仮に、ある家庭では30Aのプランで十分であるにも関わらず40Aで契約していたとすると、月間311円75銭、年間で3,741円も余分に基本料金を支払っていることになります。逆に、30Aが必要であるにも関わらず20Aで契約していた場合、電気代は年間で3,741円分だけお得になりますが、20A以上の電気を使用すると、ブレーカーが落ちやすくなります。
以上の理由から、契約アンペア数を見直す際は単にアンペア数を下げればよいというわけではなく、同時に使用する家電の数や同居している人数なども考慮する必要があるといえるでしょう。
家庭に最適なアンペア数の選び方と計算方法
家庭に最適なアンペア数は、世帯人数や家電製品の使用状況、季節の変動などを考慮して選ぶ必要があります。それぞれの選び方のポイントやアンペア数の計算方法について、詳しく見ていきましょう。
<世帯人数から見る適正アンペア数の目安>
世帯人数から見る適正アンペア数の目安は、マンションか戸建かといった居住形態やライフスタイルによっても異なりますが、単身世帯が20A~30A、二人世帯が30A~40A、3人以上のファミリー世帯が40A~60Aとなっています。検討時に考慮すべき点については、以下の表を参考にしてください。
【世帯人数別のアンペア選択の基本的な目安】
なお、60Aを超える契約にしたい場合は、従量電灯Cへの切り替えが必要です。家電製品を多く使用する家庭や業務用大型冷蔵庫などを常時使用する店舗では、切り替えを検討してみましょう。
<家電製品のアンペア使用量の目安>
主な家電製品のアンペア使用量の目安は、以下の表をご覧ください。
【主な家電製品のアンペア使用量の目安】
参考:東京電力エナジーパートナー|主な電気機器のアンペアの目安
たとえば、冬に暖房や電気カーペット全面、液晶テレビ、食洗器を同時に使用した場合は合計29.7Aを使用しますが、ほかにも照明器具やヘアドライヤーを使用する可能性を考えると、30Aでの契約ではブレーカーが落ちてしまうリスクがあります。このケースでは、余裕を持って40Aで契約するのが吉です。
なお、電化製品の消費電力はワット数(W)で表し、100Wで1A、1,000W(1kW)で10Aとなります。
<季節変動を考慮したアンペア数の決定ポイント>
季節の変動も考慮する必要があります。たとえば、エアコンは夏・冬に冷暖房として稼働させる方が多いと思われますが、冷房使用時よりも暖房使用時のほうがアンペア数は高くなります。なお、エアコンは運転中の消費電力量の変動が大きく、スイッチを入れた瞬間が最もアンペア数が高いという特性があります。
また、冬場は電気カーペットやヒーターなどの使用頻度も増え、年間を通じて最も電気使用量が多くなりやすい時期です。そのため、アンペア数を決める際は、冬場の電気使用量を基準に考えるとよいでしょう。
アンペア変更の手続き方法とタイミング
契約アンペア数変更の手続き方法とタイミングについて解説します。基本的な手順を時系列順にご紹介しますので、参考にしてください。
【アンペア変更の手続きの流れ】
ブレーカーが頻繁に落ちて生活に不便を感じている状態や電気代を節約したいと考えているなら、アンペア数の変更を検討してみてください。また、引っ越しは電力会社や電力プランを見直す絶好の機会でもありますので、引っ越し先でのライフスタイルに合わせたアンペア数での契約を検討してみましょう。
<契約アンペア数を変更できる条件と制限>
住宅の形態によって、契約アンペア数を変更できる条件や制限が変わってくる点に注意しましょう。たとえば、賃貸の集合住宅の多くは、建物全体で使用できるアンペア数の最大容量があらかじめ決まっています。そのため、部屋ごとのアンペア数の変更ができない可能性が高いです。
また、戸別にアンペア数の変更ができたとしても、退去時の原状回復の条件として元のアンペア数に戻さないといけない場合も少なくありません。トラブルを回避するためにも、アンペア数の変更可否や条件について管理会社や大家に確認しておきましょう。
なお、戸建て住宅については、原則として1年以内にアンペア変更を行っていない方であれば、変更可能です。
<アンペア変更の申込み手順と必要書類>
アンペア変更を行うには、電話やWEBなどから電力会社に連絡を入れ、手続きしたい旨を申し出ましょう。WEBから申し込む場合は、契約中の電力会社のホームページから手続きできます。
アンペア変更時には現在の契約内容の確認が必要なため、請求書や契約書を手元に準備しておいてください。一般的には、契約中のアンペア数や料金プランといった基本的な情報の提示や本人確認書類の提出が求められます。本人確認書類については、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどを準備しておきましょう。必要な情報や書類は電力会社によって異なりますので、申し込み時に問い合わせてください。
引っ越しと同時にアンペア変更をする場合は、引っ越し先で契約を検討している電力会社や料金プランが切り替えと同時のアンペア数変更に対応しているかを確認しないといけません。もし対応していなければ、まずアンペア変更を申し込んだ後で、契約したい電力会社や料金プランに切り替える必要があります。
<アンペア変更時に知っておきたい注意点>
アンペア変更時に知っておきたい注意点として、原則1年間は再変更ができない点が挙げられます。電気代を節約する目的でアンペア数を下げた結果、頻繁にブレーカーが落ちるようになったとしても、原則1年以内の再変更は認められません。そのため、アンペア数を下げる場合は、電気使用量が最も多い時期でも支障なく使えるかを慎重に検討する必要があります。
現在の住居で電力会社の切り替えとアンペア変更を同時に行いたいときは、切り替えと同時のアンペア変更に対応しているかをまず確認してください。対応していない場合は現在契約中の電力会社でアンペア変更の手続きを行ってから、新たに契約予定の電力会社に切り替えの連絡をするのが一般的です。
なお、変更後の契約アンペア数は、変更後の検針日以降の使用分から適用されます。基本料金については、電力会社によって日割り計算が行われるところと行われないところがあります。
アンペア契約変更に伴う工事の内容
電力メーターの種類によっては、契約アンペア数の変更を申し込んだ際に工事が伴うケースがあります。スマートメーターとアナログメーターの違いによる工事の有無や内容について理解しておきましょう。
<スマートメーター設置済みの場合>
設置されているメーターがスマートメーターの場合は、電力会社が遠隔操作でアンペア数の切り替えを実施します。したがって、アンペアブレーカーの交換工事は発生せず、住人側で操作したり立ち会ったりする必要もありません。
そもそもスマートメーターとは何かというと、使用電力量を表す数値がデジタル方式で表示されているメーターのことです。スマートメーターを見分けるには、本体を確認してみましょう。液晶画面が付いていて数字がデジタル表示されていれば、スマートメーターと判断できます。
<アナログメーターを使用している場合>
回転式の数字盤で使用電力量を表すアナログメーターの場合は、アンペアブレーカーを変更後のアンペア数に対応したものに交換する工事を実施します。申込時に電力会社と相談し、工事日程を調整してください。アンペアブレーカーは家の中に設置されているケースが多く、住人がいないとそもそも住居内に入れませんので、当日は必ず立会いが必要です。
工事そのものは約20分間とそれほど大掛かりなものではありませんが、工事中は電気を使用できません。また、工事は基本的には無料ですが、配線工事を伴うケースや60Aを超える契約容量への変更を希望する際は有料となる場合がありますので、注意してください。
なお、アナログメーターからスマートメーターへの変更は、電力会社を切り替えるタイミングで、そのエリアを管轄している大手電力会社が実施します。その際の交換費用は無料で、屋内での工事や立会い工事は基本的に不要です。
アンペア変更に関するよくある質問
アンペア変更に関するよくある質問を、3つご紹介します。
<賃貸住宅でもアンペア変更はできる?>
賃貸住宅でアンペア変更ができるかどうかは、管理会社や大家さんに確認してみましょう。基本的に集合住宅では建物全体の電力容量が決められているところが多く、戸別にアンペア数を変更するのは難しい可能性が高いです。たとえ変更できたとしても、退去時の原状回復義務として元のアンペア数に戻さないといけないケースもあります。トラブルを避けるためにも、管理会社や大家に相談なく勝手に変更することは、くれぐれも避けてください。
<アンペア数を上げるメリットは?>
アンペア数を上げると基本料金が上がるものの、生活の質が向上するというメリットがあります。たとえば、冬に暖房や電気カーペット全面、液晶テレビ、食洗器を同時に使用すると合計29.7Aが必要ですが、ほかにも使用する家電製品があると想定すると、30Aでの契約ではブレーカーが落ちてしまうかもしれません。余裕を持たせて40Aで契約すると、安心して電気をお使いいただけるでしょう。
単身世帯や2人暮らしなど、電気の使用量があまり多くない家庭では、30Aのプランで十分なことが多いです。この場合、40Aで契約すると月間311円75銭、年間で3,741円も余計な基本料金を支払っている計算になり、損してしまいます。アンペア数を決めるときは、ライフスタイルや人数、使用する家電の数や調理する頻度なども考慮しましょう。
<電力会社の切り替えとアンペア変更を同時に行うには?>
電力会社の切り替えとアンペア変更を同時に行えるかどうかは、切り替え先の電力会社によって異なります。もしできない場合は、現在契約中の電力会社でアンペア変更の手続きを済ませてから電力会社を切り替えるとスムーズです。
電気料金を節約したいなら大多喜ガスのセット契約
現在、大多喜ガスのガスを利用中で電力会社乗り換えを検討しているご家庭は、電気とのセット契約を検討してみてください。ガスと電気の支払いを一元化できておすすめです。大手電力会社の送電設備をそのまま使用しますので、電気の品質や安全性は変わりません。
【二人暮らしの場合】
たとえば、夫婦共働きで電気の使用量が少ないご家庭の場合、年間約2,400円の電気料金を節約できます。
【4人家族の場合】
また、小さなお子さんがいて日中の電気の使用量が多い4人家族の場合は、年間で約10,000円お得です。
大多喜ガスの電気は契約期間に縛りがありませんので、安心して利用できます。ぜひ、お気軽にご相談ください。
まとめ
電気の契約アンペア数とは、同時に使用できる電気の量を表す単位です。ブレーカーが頻繁に落ちると生活の質に関わってきますので、居住人数や使用する家電の数、ライフスタイルなどに合わせて適切なアンペア数を契約しましょう。
大多喜ガスでガスと電気をまとめると、セット割が受けられてお得です。電気の品質や安全性に変わりはなく、電力会社を切り替えたからといってブレーカーが落ちやすくなったり、復旧が遅れたりするといった心配はありません。大多喜ガスでガスを契約中で電力会社の切り替えを考えている方は、この機会にぜひ弊社を検討してみてください。